〈車の場合(34分/35.9km)〉
「駅前不動産スタジアム」から九州横断自動車道/長崎大分線/長崎自動車道経由
〈公共交通機関の場合(1時間14分/720円)〉
「駅前不動産スタジアム」→徒歩11分(800m)→「鳥栖駅」→長崎本線 各停 江北行で30分→「佐賀駅」→徒歩5分(230m)→「佐賀駅バスセンター1番のりば」→ゆめタウン線 5 ゆめタウン佐賀(ほほえみ館・夢咲コスモスタウン 経由)で5分→「夢咲コスモスタウン北(2)」→徒歩650m(10分)
伝統の味が光る大衆食堂
「ちゃんぽん」といえば長崎の名物として広く知られているが、この地にも根付く「ちゃんぽん」があるらしい。
長崎ちゃんぽんと何が違うのか詳しいことを調べることなくとにかく最寄りの店舗へ向かう。

「井手」とは何なのか、「北方」とは何なのか、佐賀にも「兵庫」があるのかなど思うことは山積み。

創業は昭和24年。
初代の井手さんが第二次世界大戦の戦火を免れるため疎開した佐賀の北方にて「千十里食堂」を創業。
長崎で食べたちゃんぽんを自分流にアレンジし、野菜をたっぷり使用したボリューミーなちゃんぽんが炭鉱夫から好評に。
昭和55年に2代目が親しみを込めて呼ばれていた「井手ちゃんぽん」を正式に店名にしたとのこと。
時は流れ、広々とした店内に広がるテーブル席や座敷席は家族連れや年配の客で賑わう。

丼のレパートリーが素晴らしい。
「麺なし」需要が多いのだろうか。麺なしは野菜が130%増量するらしい。
トッピングの野菜がボリューミーであることが想像できる。ワクワクする。

ここにもおにぎり。九州らしい采配。
メニュー全体はシンプルでリーズナブル。
やはり「特製ちゃんぽん」一択。
ボリュームたっぷり、井出の味
注文から数分でまずは「ぎょうざ」が到着。
高速オペレーションの厨房内が丸見えで、繁盛してても提供速度がスピーディー。

ぎょうざ(6個)(¥350)。
皮目はパリパリ。
餡がモリモリ詰め込まれている様子が外から見てもわかるように肉々しくてジューシー。

特製ちゃんぽん(¥1030)。
中々のボリュームに微笑む。
部活帰りの子供たちを連れてくる親御さんの気持ちがわかる。
おまけに麺を調整すればかなりヘルシーでお母様たちもこれは嬉しい。

中央には卵の黄身。
割り絡めるタイミング、麺に絡めるか野菜に絡めるか、楽しい悩みどころ。

全体を覆う細切りの木耳が、しっかり炒められたもやしとキャベツと同様に食感で魅せる。
散らばった豚肉と蒲鉾も良い旨味をプラスしている。
こってりだけどクリーミーで優しい味わいのスープに浸して食べるとうまい。
野菜の甘味と旨味が溶け出したような美味しさが病みつきになる。

ちゃんぽん麺はつるつるしこしこ。
ほどよい太さで食べ応えもありしっかりおいしい麺。

大事に保護しながら食べ進めた黄身は、全体の1/2をバランス良く食べ終えたタイミングで解放。
まろやかな口当たりが、ちゃんぽんの味わいをワンランク上昇させる。

卓上の胡椒を加えるとスパイシーなアクセントが加わり少しやんちゃな味わいに。
ボリュームが多いからこそ楽しめる味変も満喫。
一方で男子学生がこぞって通いたくなるようなインパクトは少々薄いように感じる味の強さ。
それでも完食後も度々スープを飲んでしまう癖になる優しい味わいに虜になる。
ごちそうさまでした!